新盆について

故人が亡くなってから「四十九日後に迎える初めてのお盆」のこと新盆ともしくは初盆と言います。一般的なお盆の時期でもある8月13日~8月16日(地域によっては7月13日~7月16日)に執り行われ、この時期にまだ四十九日を終わえていない場合には新盆は翌年に行われることになりますので注意が必要です。
通常のお盆では故人の家に親戚が集まり仏壇に手を合わせ、菩提寺などへお墓参りに行くという流れが一般的ですが、新盆は初めてのお盆ということもあり通常のお盆よりも盛大に行われるケースが多い傾向にあります。先祖の墓がある菩提寺や法要会館・自宅などに僧侶を招き読経をしてもらったり、参列者にお焼香をしてもらったりなどといった法要を執り行い、法要後には会食の場を設けて故人の在りし日を偲ぶことも多いようです。

また、新盆の時にだけ飾る白提灯というものがあります。通常のお盆では絵柄の入った盆提灯を飾りますが、新盆では白提灯を飾ります。
白提灯を飾る行為には「清純無垢な気持ちで故人の霊を迎える」という意味が込められており、故人が初めてこの世に戻ってくるお盆ということで「迷わず無事に家に帰って来ますように」という道しるべの役目もあり、ご近所の方へ新盆を迎えていることを知らせる意味もあります。
白提灯は玄関や軒先・仏壇の横に吊るすことが一般的でしたが、近年では畳や床の上に置く形式やミニサイズのタイプもありますので、仏壇や生活スタイルにあった形式を選ぶと良いでしょう。
昔は親族から白提灯が送られる習慣がありましたが、近年では白提灯そのものではなく5,000円~10,000円程度を「御提灯料」として包み、新盆を務める遺族が代表して用意するケースが増えています。提灯にも「真っ白な提灯」「表面に透かし模様のある提灯」「家紋を入れる提灯」といったような種類があります。家紋を入れる提灯を選ぶのであれば家紋を入れる時間が必要になりますので早めに依頼する必要があります。

お葬式の豆知識

新盆で行う事や準備する事

ここからは新盆で行う事や準備する事についてお伝え致します。

まずは精霊棚(盆棚)や提灯の準備です。
精霊棚(盆棚)はご先祖様の霊をお迎えし安らかになって頂くために用意する棚のことで、故人様の生前好物だったものや好きだったお花・法具・精霊馬などを祀ります。一般的に祀る法具については、普段は仏壇の中にしまっている位牌を取り出して飾り、燭台・ろうそく・りん・りん棒・線香立てと線香を置き、香炉はいつも使っているものを用意し、焼香用に法要時に参列頂いた方用の香炉・香木を用意します。精霊棚(盆棚)を用意する場合、翌年からの通常のお盆でも飾ることが可能です。
また、新盆では絵柄のついたものではなく白提灯を用意すると先にもお伝えしました。一般的に盆提灯は二つを対で飾りますが、白提灯は基本的に1つで問題ありません。
茄子やきゅうりに楊枝をさして動物に見立てたお供え物を精霊馬・精霊牛といいます。これらはご先祖様があの世からこの世の行き来するための乗り物として供えら、収穫を報告する意味合いも含めており夏野菜である茄子ときゅうりが使われているそうです。きゅうりは馬に見立てられており、故人様が馬に乗って「より早くこの世に戻って来られますように」という願いが込められており、反対に茄子は牛に見立てられおり「あの世にお戻りの際はどうぞゆっくりとお帰りください」という名残り惜しいという気持ちが込められているのです。そして、供えられた様々な供物を牛に持たせてあの世に戻ってくださいという願いも込められています。
お供え物は原則的に精霊棚にお供えします。その際は五供と呼ばれる、お線香を指す「香」、ご先祖様や故人様にお供えする「花(供花)」、ロウソクに火を灯すことを指す「灯燭」、綺麗なお水である「浄水」、食べ物を指す「飲食」をお供えします。

ここからは新盆にお供えする食べ物や植物についてお伝え致します。故人の霊をもてなす食べ物や植物として精霊馬や精霊牛の他にも、仏飯として仏様に炊きたてのご飯を供えます。ご飯の盛り方は宗派によって異なります。器に蓮や里芋の葉を敷き、研いだお米の上にナスビときゅうりを盛って水に浸した水の子を供えます。果物や野菜は季節のものや丸いものが良いとされてて、あの世とこの世を往来する精霊馬・精霊牛の手綱に見立てたそうめんを供えます。新盆は白団子を供えることも一般的です。お団子は毎日取り換えるようにしましょう。また、植物としてはほおずきを提灯代わりに使用し、生花は故人が好んでいたもので棘のある花は縁起が悪いとされていますので避けた方が無難です。

上記でお伝えした内容はごく一般的なお話であり、地域や宗派によって変わる事もありますので事前に確認するようにしましょう。