葬儀に参列する際には喪服を着用することは皆様ご存知かと思いますが、靴や髪型・男性であればネクタイなど喪服以外にも気にかけるべきマナーまではご存知でない方や記憶があいまいな方もいらっしゃるのではないでしょうか。細やかな部分であっても気を配ることがマナーのひとつですから、覚えておくと安心です。
靴のマナー
葬儀用の靴は男性であれば「黒の革靴」女性であれば「黒色でシンプルかつ地味な物」とは分かっていてもデザインは多岐に渡りますので具体的にどういう靴を選べば良いのか、手持ちの靴はマナー違反ではないのか気になるかと思います。ここからは男性女性に分けて詳しく靴のマナーをお伝えしていきます。
- 男性の靴のマナー
- デザインについては
- ○「ストレートチップ」又は「プレーントゥ」
- ×カジュアル度が高い「ウィングチップ」
- ○靴の色は男女問わず「黒」がマナーです。
- ×黒に近い色合いでも茶色やグレーなど
- ×スエード・ヘビ等の革製品や型押し素材
- ○フォーマル度の高い仕様の内羽根式を選ぶ。
- ×ひも靴でない靴・金具のついている革靴
- 女性の靴のマナー
- ○ヒールがあるパンプスを選ぶ。
- ○つま先はラウンドトゥやスクエアトゥ
- ×派手・華美・カジュアルな印象の靴
- ○靴の色は男女問わず「黒」がマナーです。
- ○ヒールの高さは3~5cm程度
- ×6センチ以上のヒール
- ○ヒールの太さは可能な限り太めのものを選ぶ。
- ○素材は本体部分と同じ素材
- ○違う素材であればシンプルな黒一色の物
- △エナメルは光沢感があるので避けた方が無難
- ×装飾が付いている・木目調のデザイン
- ○ストラップが付いていない物
- △留め具などが金属ではない物は許容範囲
上記以外にもローファーは葬儀などの正式な場には向かないと言われています。しかし学生の制服にはローファーを合わせて履くことが多く冠婚葬祭では正装とされますので、学生はローファーでの参列は問題ありません。また、妊婦さんやお年寄り・怪我をされている方など何か特別な理由がある方は上記以外の靴でも出来るだけ葬儀の場に相応しいものを選ぶようにすれば可能です。
足元は自分で思っている以上に意外と目立ちます。しっかりと正装していても、靴からカジュアルさが出てしまうと、マナー違反と思われかねませんので正装の際は足元から注意を向けるようにしましょう。
髪型のマナー
髪型のマナーとして、まず全ての人に共通して言えるのが髪色についてです。近年では様々なヘアカラーが流行しています。ですが葬儀の場は全体的に落ち着いた雰囲気と色合いなので、髪が明るすぎると悪目立ちしてしまいますので注意が必要です。髪を染めている場合であれば暗めの茶色であれば許容範囲ですが、明るい茶色や金髪・派手な髪色などにしている場合にはドラックストアやバラエティーショップでも取り扱っている髪色戻しスプレーなどで一時的にでも黒髪にしましょう。
- 男性の髪型マナー
- 男性の髪型については清潔感を感じられるものが理想です。過度なアレンジをせずに清潔感を出す為にはワックスやジェルを使いすぎない事が大切です。普段であればワックスを使う際は毛先を立てたりアレンジを加えたりする事が多いかと思いますが、葬儀の際には髪のはねや膨らみを抑えるために多少使用する程度にしましょう。また、短髪の髪型でも髪がテカテカするほどワックスやジェルを塗るのはマナー違反です。お葬式の場では前髪が顔にかかりすぎる髪型はマナー違反ですので、目にかかるほどの長さであれば少しカットするかワックスなどで上手くまとめるようにしましょう。長髪の方の場合は顔にかかるようであれば後ろでひとつに結ぶ等しておくと良いです。もしもサイドの髪がゴムでまとめられない場合には耳の後ろで黒いピンなどで止めるなどして、清潔感のある髪型を保ちましょう。また、パーマをかけている場合にはゴムで後ろにまとめるか、短い場合はジェルなどで可能な限りストレートに近づけると良いでしょう。
- 女性の髪型マナー
- 大きく分けて髪が短い場合と長い場合でのマナーをご紹介致します。ショートヘアであれば邪魔な部分はピンで留め、ボブくらいの長さである場合は無理に縛ろうとせずに、黒いピンを使ってまとめると良いでしょう。念のためにピンも余分に持参していくと安心です。髪が長い場合であれは、低い位置でひとつにまとめるようにしましょう。全体にパーマがかかっている場合は毛先が広がってしまうのを防ぐ為に編み込みやお団子などにして全体的にボリュームを落とす様にすると良いでしょう。お葬式では会釈やおじぎ、お焼香などをする機会が多いため、髪が顔にかからないようまとめておくことも大切です。
葬儀に参列する際は服装は勿論のこと、髪型や髪色にも気を配ることもマナーのひとつです。近年では性別や年齢を問わず様々なヘアスタイルの方が増えていますが、葬儀に参列する際はマナー違反にならない様に注意が必要です。
ネクタイのマナー
葬儀に参列する際には、葬儀用ネクタイを着用する必要があります。葬儀用ネクタイは黒で無地の物という知識だけでなく詳しい選び方や結び方のマナーについても知っておくと尚良いでしょう。
- ネクタイの結び方
- ネクタイの結び方については様々な種類ありますが葬儀用の結び方という特別なルールはありません。ですが印象が派手になる様な結び方は避けた方がいいと言えるでしょう。一般的かつシンプルな結び方として「プレーンノット」という結び方があります。詳しい結び方についてはインターネットで検索すると動画や写真で分かりやすく解説されていますのでそちらを参考にしてみてください。
- ネクタイの種類
- 葬儀用ネクタイの選び方として、まずは基本的な決まりとして黒色で光沢の無いネクタイを選ぶようにしましょう。基本的に黒無地のネクタイを着用することがマナーです。柄やストライプなどの模様が入ったネクタイや落ち着いた柄や刺繍であっても避けるべきです。葬儀用ネクタイが販売されている場所には黒色が薄めの法事用ネクタイも置かれている場合が多いので間違えないように注意しましょう。近年では所によっては百円ショップやコンビニにも葬儀用ネクタイが販売されていますが素材の質は下がる場合が多く見た目が劣る可能性もありますので、緊急時の候補として視野に入れておくと良いです。
一般的にビジネスマナー上では、ジャケットを着用しない場合は特にネクタイピンでネクタイを留めるのがマナーとなっています。また、ネクタイピンでネクタイを留める事によってネクタイが擦れて劣化する事を防げる為、日頃からネクタイピンを使用している方も多いのではないでしょうか。しかし、葬儀に参列する場合にはネクタイピンはつけません。ネクタイピンは光を反射しやすい材質で作られていることが多く、光を反射しやすいものはタブーとされている葬儀の場では不適切と言えるでしょう。しかし、ネクタイピン全般が不適切という訳ではなく、葬儀用として販売されている光沢がない黒色のネクタイピンや真珠のネクタイピンは着用しても構いません。ですが、基本的にはネクタイピン自体をつけないのが望ましいということを覚えておきましょう。